2024/04/17 06:13

誰もがいつまでも安心して暮らせるコミュニテイーを目指して!!

みんなの生活

厚生労働省発表の2014年の認知症患者は全国推定患者数462万人、2025年には、700万人を超えるとも言われているが、その対応策は、未だに十分とはいえない。
https://info.ninchisho.net/archives/2666


現状の介護の体制は大規模な介護施設が中心で、ひとり一人に十分なケアを行うことは現実的に困難だ。また、介護スタッフも重労働の割には、待遇がいいとはいえない。『認知症と付き合う』のが精一杯で、『認知症の改善』に役に立っているという充実感を味わうことが難しい状況も介護スタッフのモチベーションが上がらない原因のひとつとになっている。


今回は、その状況に一石を投じようと認知症介護の現状の問題の解決すべく、スタートした新たな取り組みを紹介しよう。

心の通った介護サービスを目指して

看護師の経験もある田口アキ子さんは、地元の奈良県桜井市に、住まいの日本家屋を改造し、近所の人たちが気軽に立ち寄れる新しいタイプの『小規模多機能介護施設 ‘より愛どころ ありがとう’』をオープンした。一般の家屋と変わらない雰囲気の中、通いでも、毎回なじみのスタッフから、介護のサービスを受けられるなど、希望者のニーズに合わせた介護が好評だ。

3ヶ月で効果が現れる認知症改善プログラム

田口さんは、義理の両親を介護した経験から、介護をする上で大切なことは、『介護者が、1対1で認知症と向き合い、あきらめなければ認知症は、回復する』という信念を持つことだという。

3か月で効果が現れるという『PMAT認知症改善プログラム』と出会い、スタッフ全員で取り組んでいる。このプログラムは、20年にわたる試行錯誤から開発されたもので、海外、特に、中国や台湾ではNHK WORLDなどでも大きく取り上げられ大きな反響を呼んでいる。


患者と指導者が1対1になり、まずは温熱マットで手足や体を刺激する。そして、様々な器具を使った運動をゲーム感覚で繰り返す。少しでも、うまく出来るようになると患者も指導者といっしょになって、楽しく運動を繰り返す。3ヶ月程度で劇的な効果が現れることがこのプログラムの大きな特徴だ。
介護保険のない中国や台湾では、認知症の治療に時間を掛けられないので、短期間で改善が見られるこのプログラムは地域をあげて取り組まれている。日本に多い大規模な介護施設では、患者と指導者が1対1で行うこのプログラムは導入が難しいが、‘より愛どころ ありがとう’のような小規模の施設なら導入が十分に可能だ。

認知症の改善が、介護者の大きなやりがいに!!


また、この成果の上がるプログラムは、介護にあたるスタッフにも、症状の改善に貢献が出来るという『やりがい』を提供できる。これが、大変大切なことだと田口さんはいう。介護のつらいところは、症状を改善するという取り組みより、とりあえず、日々の業務をこなすことに精一杯になってしまうことにある。


このようなプログラムを利用することにより、介護の仕事にあらたなやりがいを見つけることが出来るようになり、介護に喜びを見出すことすら出来ると、田口さんはいう。


また、この施設では、地域の人たちと入所者の高齢者が、菜の花の栽培を通して交流したり、近隣の小学校と連携して、子供たちが高齢者の人たちと触れ合う機会も提供している。
田口さんの理想は、認知症高齢者を隔離するのではなく、地域の人たちと関わることで、高齢者が生きる楽しみを感じる体験を提供することだ。


身近な『小規模多機能介護施設』の必要性が叫ばれて久しいが、まだまだ成功例は数少ない。この‘より愛どころ ありがとう’の試みは、多くの事業者のモデルとなっていくであろう。経済的にはまだまだ厳しいところもあるが、薬を処方するより、『PMAT認知症改善プログラム』などの効果のあるプログラム中心の認知症医療に変換することにより、将来の認知症患者の増加にも対応できるのではないか?

『家族』の概念が変わりつつある日本社会で、小規模多機能介護施設を中心とした、『思いやりの身近な地域コミュニティー』が復活することを願っている。


『食と健康』に考えるためのレストランもオープン予定

認知症に効果があるといわれているヴァージン・ココナッツオイルや、溶存水素を多く含み、腸内環境を改善するといわれている『創生水』を使って、『体が喜ぶ・無農薬野菜を調理して、本当の野菜のおいしさを感じてもらいたいという。食に関する知識は、認知症を予防する上でも大変重要な知識だ。