ただ、愛する人たちを助けたい 西條剛央氏インタビュー

  • 2011年July30日(Sat) 18:06 JST
特集

 

 

ただ、愛する人たちを助けたい


目の前の人を助けたいという本気の気持ちが起こした奇跡。

3.11の大震災後数ヶ月間、役所などに送られた救援物資が必要な人のところに効率的に届かないという問題があったが、そんな中、物資を受け取りたい人に直接必要なものが届くというシンプルなシステムを考え実行に移したのが、『ふんばろう東日本支援プロジェクト』(以下『ふんばろう』)代表の西條剛央(サイジョウタケオ)さんだ。また、西條さんはその方法をツイッターで何万という人たちに瞬く間に伝え、救援物資の配送のあり方に革命を起こした。被災地の人たちの間で、今一番頼りにされている人物の一人に、今野英太郎さん(レイクランド大学ジャパンキャンパス)、郭伊如さん(上智大学)がお話をお聞きしました。



   
早稲田大学で行われたライブトーク    研究室でインタビュー



(今野)私も実家が石巻市で1ヶ月半に渡りボランテイアで瓦礫の整理などをしたのですが、現地のリーダが不在で大変な思いをしました。西條さんが、現地に入って活動をする中で一番強く感じたことは何ですか?


(西條)今までにだれも経験したことのない程の震災ですからね。『行ってみないとわからない』と簡単に片付けたくありませんが、私の想像をはるかに超える被害でことばを失ってしまいました。私は大好きだったおじを亡くし、また親族や友人たちも大きな被害を受けました。現地で活動をしていても、『がんばって』という言葉はかけづらいです。もう、みんな十分に悲しい気持ちを抑えてがんばっていますからね。暑い避難所の中、今でも扇風機すら十分にない生活をしている人がいる状態です。まだまだ私たちがやらないといけないことはたくさんありますよ。

(今野)『ふんばろう』の活動が、短期間に多くの人たちに広がった原因は何だと思いますか?

(西條)私の研究している『構造構成主義』に基づき、現地の状況をよく把握して、出来るだけシンプルに支援活動をしたからだと思います。支援物資を送るためのマッチングサイトはすでにありましたが、被災地ではインターネットにアクセスして情報を得ている人は少数派です。私たちは避難している人のところに直接行って、必要なものを聞いてリストにし、サイトにアップしていきました。
宅配便が通じていたのも幸いして、サイトを通じて物資を受ける人と送る人が直接結びつき、やがてそれが単に『物資を送る行為』から、『物資を受け取る特定の個人を助ける思い』に変っていき、支援する気持ちも強くなっていったと思います。被災地の状況を現地から伝えるには、ツイッターは大変役に立ちましたね。被災地の生々しい情報が拡散するスピードに『人々の被災地の人を助けたい』という気持ちが乗っかり、あっという間に『ふんばろう』の仲間が加速度的に増えていきました。あと、少々うまくいかないことや批判などがあってもそれが5%ぐらいであれば、あえて目をつぶって、どんどん計画を進めていきました。『ただ、被災者のためだけに』という思いを貫いていったことがよかったと思います。



(郭)学生として震災に対してどのように取り組めばいいと思いますか?


(西條)私も周りの学生には、とにかく、現地を見てきてほしいと言っています。今の若者たちの恵まれた環境では、人の痛みや深い悲しみに共感する気持ちを育んでいくことが難しい人もいると思います。しかし、現地を一度見てきた人は、明らかに支援に対する気持ちが変わっていきます。ボランテイアの活動をしているうちに心の底から何とかしてあげたいという気持ちも湧いてくると思います。私は、ボランテイアと思ってこの活動をしていません。ご飯を食べるのと同じくらい自然に、とにかく現地の人を助けたいという思いで行動しています。多くの仲間も同じ気持ちだと思いますね。
震災後すでに4ヶ月がたちましたが、被災地ではまだまだ復興というには程遠く、皆さんの継続した支援が必要とされています。緊急を要する『ガイガーカウンタープロジェクト』『家電プロジェクト』や新たに立ち上がった『エンタメ班』『学生班』なども活動を開始しています。就職のための勉強も大切だと思いますが、キャンパスでは学べない、生涯忘れることの出来ない出会いや経験を『ふんばろう』の活動を通して皆さんにしてほしいですね。


西條剛央(たけお)氏・・早稲田大学大学院(MBA)専任講師。専門は心理学や(科学)哲学。「構造構成主義」というメタ理論を体系化。実家が仙台なので犠牲になった人たちのためにも今の自分にできることをしたいと思い『ふんばろう東日本支援プロジェクト』http://fumbaro.org を立ち上げる。
構造構成主義研究会の公式ホームページ
http://sites.google.com/site/structuralconstructivism/
twitterID:@saijotakeo (follower:17,532)

 

インタビューした学生の感想


今野英太郎さん

西條先生のおっしゃっていた、’ボランティアをしていると思った事はない’。というのがとても印象的でした。自分もそのように感じていてよく人に’がんばってるね’ とか ’偉い’ などと言われますが、友達、親戚が苦しんでいたらそれを助けるのは人間として当たり前の行動であり、むしろ犠牲になった友を思えば何もしてあげられなくて申し訳ないというのが正直な感想です。そのような事に改めて気づく事ができました。



郭伊如さん

多忙のところにインタビューの時間を作ってくださった西條先生にとても感謝しています。直接話ができて、大変光栄でした。インタビューの中に、一番印象的だったのは西條先生が言われた「私はボランティアと思って活動しているのではなく、自分ができることを困っている人にやってあげたいだけです」という言葉でした。こういう考えがあるからこそ、いろいろ実現できたと感じました。今被災地の状況もまだまだ楽観できないので、より多くの方々が被災地に注目していただきたいと思います。小さなことからスタートしても、みんなの力を合わせれば大きな効果があると思います。

今野英太郎さん

西條先生のおっしゃっていた、’ボランティアをしていると思った事はない’。というのがとても印象的でした。自分もそのように感じていてよく人に’がんばってるね’ とか ’偉い’ などと言われますが、友達、親戚が苦しんでいたらそれを助けるのは人間として当たり前の行動であり、むしろ犠牲になった友を思えば何もしてあげられなくて申し訳ないというのが正直な感想です。そのような事に改めて気づく事ができました。


ふんばろう東日本支援プロジェクト

 



1:「必要なものを必要な分、必要とする被災者に送りたい」7月20日現在で1,100ヵ所以上の避難所や個人避難宅に計1万5千回以上物資を送り届けています。家で余っているものを送っていただくのはもちろんのこと、Amazonの欲しい物リストと連動させることで世界中から支援が可能になっています。

2:家電を集めて被災者に大量に送り届けるのが「家電プロジェクト」です。家で使っていない家電を被災地に送ってあげることにより、被災者は生活を取り戻して いくことができるのです。また「お手紙プロジェクト」や「傾聴プロジェクト」といった後方支援と連動させることにより、被災者のメンタル面のケア にもつなげていきます。

3:被災地で最も需要がある重機免許を、被災者に無料で取得してもらえるよう支援しております。3万円の支援金で一 人に重機免許を与えることができます。3万円の生活費はすぐになくなってしまいますが、重機免許があれば300万円を稼ぐことも可能になるのです。もちろん、ただでさえ経済が冷え込んでるなか、就労機会の確保にはそれぞれの事業主様のご協力も必要です。これからも中長期的な視野に立って、支援を続けて行く予定です。

4:専門家による正しい放射線量測定の仕方や読み取り方の講習を受けてもらい、ガイガーカウンターを集めて必要としている地区(小学校、保育園)に貸し出し、各自が生活空間の相対的な安全度をチェックできるように支援します。そのためにはガイガーカウンターが必要です。6万円あれば1台のレンタル用ガイガーカウンターを入手できます。100台あれば一日に100家庭に貸 し出すことができます。台数が揃えば揃うほど多くの方に貸し出して、生活エリアの安全をチェックしていただくことができるのです。

その他にも多数のプロジェクトを立ち上げ、ただただ「被災者支援」だけを見つめて行動していきます。皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いします。


「ふんばろう東日本支援プロジェクト」 http://fumbaro.org/
 

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