芋エネルギーで日本を再生する!!

  • 2012年11月28日(水) 12:45 JST
特集

 

芋エネルギーで日本を再生する!!

生産性の飛躍的向上で、農業を再生し、エネルギーや温暖化の問題も解決する

一石三鳥の芋の多層栽培とは?



近年、中国、インドなどの急成長に伴いCO2の排出量の増加率も年々上がっているが、政府もエネルギー政策を大幅に見直し、CO2の25%削減の目標も取り下げた。そして、化石燃料の輸入が増加し、エネルギー価格も高騰している。また、農家も収入減で後継者不足が深刻化し、衰退の一途をたどっている。そこで、今回はCO2の増加、エネルギーの高騰、農業問題の3つの問題を一挙に解決する『燃料作物としての芋の多層栽培』という画期的な提言している近畿大学の鈴木教授に東工大で、生物理工学を専攻する金ジェホンさんがお話を聞いた。

 

鈴木 高広教授 プロフィール
近畿大学生物理工学部教授 農学博士


1959年愛知県三河農家の生まれ。名古屋大学では博士課程までの9年間を授業料全額免除で勉学に励む。学術振興会大学院特別研究員DC2に名古屋大学から初の採用。米国マサチューセッツ工科大学 (MIT)ポスドクを経て、平成元年より通産省工業技術院名古屋工業技術研究所 主任研究官。科学技術庁長期在外研究員として英国ロンドン大学王立医科大学院へ。日米・日英共同研究のリーダーを務め、平成8年より東京理科大学助教授(准教授)。4年後退職し実業界へ。のべ4社で技術経営の実践に学び、ネットで検索される化粧品学者No.1となる。2010年より実学教育の近畿大学教授。ストレスのない安心で豊かな社会を創造する「ふるさとえびすプロジェクト」を構想し研究開発と講演活動、関連省庁や企業などに支援・共同事業を呼び掛ける。専門はスマートバイオリアクターシステム。MIT時代、大学院生たちが当然のように起業する米国社会に愕然とし、「研究成果で会社を興そう」と東京理科大で学生たちを指導したが果たせず。実践経験のない知識教育は非力だった。10年間の民間行脚は発言の重みと責任、そしてIdentityのため。

 

Q1:先生の提唱されている『芋の多層栽培』について分かり易く解説くださいますか?



A1:大学で微生物の光合成の研究や民間企業での10年間の化粧品などの研究開発を通して、光の分散などの技術を使えば、国土全体に降り注ぐ太陽光のわずか3-5%で、大量の燃料作物を栽培出来るのではないかと思いつき、始めたのが作物を植える棚を重ねた多層栽培です。そこで、色々な作物を試しましたが、光や温度などにも影響が少なくまた手間もかからない芋が燃料作物として最適であることが分かりました。今の実験段階でも多層栽培で、10-20倍以上の芋を収穫することは可能です。燃料に適した品種に改良し、栽培方法ももっと研究をすれば50倍までは十分実現可能です。理論上では、5層の多層栽培で、3cm大の小芋であれば、年6回の収穫が可能で、450kg/㎡の収穫が出来ます。そうすると日本のような限られた耕作面積の国でも、休耕地と遊休地の一部の100万haを使うだけで、日本全体のエネルギーを芋でまかなうことも十分可能になります。今使っていない土地を使うので、すでに使っている農地はそのまま使えます。採れた芋はチップにして燃やして化石燃料の代わりになりますが、大量栽培が本格的に可能になれば、コストも化石燃料よりも安くなりますので、一気に普及することも考えられます。



テレビ番組の取材を受ける鈴木教授


Q2:この栽培方法が確立すれば、日本の社会にどのようなインパクトがありますか?

A2:CO2の削減には、自然のエネルギーです。CO2を固定化する燃料作物は最適なエネルギー源です。しかも毎年採れるので、化石燃料のように枯渇する心配もありません。そして、何より日本の農業を新しいエネルギー産業の担い手として再生し、地域に若い人たちが働く場所も提供することが出来るようになります。私は、これを『ふるさとえびすプロジェクト』と呼んでいます。今、化石燃料の輸入は、毎年約20兆円。しかし、これを多層栽培の技術を使い国内の燃料作物の栽培で代用すれば、20兆円の新しい燃料作物市場が国内に出来ることになります。仮に農家が、20アールの実栽培面積で効率よく芋の多層栽培をすれば、年間900万トン収穫ができ、仮に5円で売れれば、年収は450万円になります。地方であれば十分に生活が出来る収入です。これは、燃料作物の買取などの仕組みが整えば十分に可能です。地方の農業は年々衰退しており、休耕地も荒れ放題、農業再生も待った無しの対応策が要求されていますので、農民が国からの補助金なしで自活できる燃料作物の栽培はとても有効な対策です。また、若者が戻ってきて農家が元気になり、昔の様に親子孫の3世代で同居あるいは近くで暮らす人たちが増えれば、国が目指す『ふるさと再生』も現実のものとなります。子供達が面倒を見てくれるので、お年寄りも将来のことを心配して蓄えるのではなく、子や孫のためにお金を使うようになると思いますので、経済的にもよくなりますね。CO2削減、国内でのエネルギーの確保、農業の再生、ふるさと再生と一石何鳥にもなる画期的なプロジェクトが、この『芋の多層栽培』です。

Q3:社会問題を解決する本当にすごい提言ですね。ところで、最近は社会問題に関心がある学生が増えていますが、『社会変革』を志す上で大切なことは何だと思いますか?また留学生や日本人学生に先生からのメッセージをお願いいたします。


チャレンジ精神が大切ですね。日本の国は今、昔の財産で生きているようなところがあると思います。どんどん、新しい産業を生み出すことが大切ですね。アメリカ留学中にショックを受けたことは、多くの学生が自分の研究を社会に役立てるために、ビジネスをしようと考えていることでした。研究したことを事業化し、社会の役に立てるという姿勢を当時の私は持っていませんでした。皆さんには自分の会社を作るぐらいの気概がほしいですね。私は今この芋の研究を何とかして世の中に役立てようと決心し、このプロジェクトを進めています。皆さんも可能性を信じて自分の力で新しい世界を切り開いていってください。


鈴木教授の研究を世の中のために役立てたいという情熱とその研究成果が認められ、大阪府では500万円の補助金を提供する事業として認定されている。また、三重県鈴鹿市でも地元の大きな期待を受けて試験事業も始まり益々期待が高まっている。
鈴木教授の提言は、一挙に多くの問題を解決する可能性を秘めているが、この提言は日本のだけではなく、他の国でも十分に応用が可能だという。世界で起こっている争いの多くは、エネルギー資源の奪い合いによるものだ。もし、世界の国々が自国内でエネルギーを賄えるようになれば、希望のある平和な世界に近づくに違いない。


Jaeheon Kim  金載憲  さん (東工大生命理工学部)の感想文



僕は高校の頃から代替エネルギーに興味がありました。それで韓国のエネルギーの会社に代替エネルギー開発の見学を行ったり、その分野を研究してる教授から講義を受けたりしました。だが、その時いつも問題になったのがバイオマスのような代替エネルギーは効率が低すぎて実際の産業に使われるにはまだまだ行く道が遠いってことでした。なので僕は少なくともしばらくは原子力に大きな部分を頼るしかないって思っていました。鈴木先生の研究はそんな今までの問題を乗り越えそうです。理論どおりならもう原発がなくても十分な量の電力を生産できる事が分かりました。

***GLOBAL COMMUNITY よりの提案***

 

修了報告会にて第一期生として観光庁より感謝状が贈られた

この夏実行した、留学生と日本人学生のペアインターンシップの目標は、国際交流と日本文化体験を兼ねた地域活性化ツアーを作ることだ。特に、春と夏に、留学生と日本人学生が仲間作りのためのオリエンテーションツアーの提案を考えているが、この鈴木先生の『芋の多層栽培』を留学生と日本人学生が助け合いながら行うプログラムとして取り入れて行きたい。そして、燃料作物が、エネルギーの自給自足、強いては世界の平和へも貢献する可能性がある事を参加した学生が共有すれば、これ以上意味のあるオリエンテーションはないのではないか?留学生と日本人学生が共に、日本発の『燃料作物イノベーション』として世界に発信すれば、明るい未来を築くことが出来るはずだ。
 

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