2025/07/27 18:29
日本とブラジルの移民史と130年の絆:2025年大阪・関西万博に見る文化と未来
多様な交流が育んだ戦略的パートナーシップと文化融合の軌跡
2025年は日本とブラジルの国交樹立130周年を迎える特別な年であり、これを記念して大阪・関西万博にブラジルパビリオンが出展されています。
1908年に最初の移民船「笠戸丸」がサンパウロ州に到着して以来、約25万人の日本人がブラジルに移住し、その子孫は現在200万人を超える最大の日系人コミュニティを形成しています。ブラジル国内には約270万人の日系人が住み、一方で日本には約21万人のブラジル人が居住し、これらの人的交流が両国の文化的・経済的な絆を強めています。
大阪万博のブラジルパビリオンは、文化、持続可能性、イノベーションを融合させた感覚的な体験を提供することを目指しており、舞台美術家のビア・レッサ(Bia Lessa)が芸術監督を務めています。
パビリオンは約1000平方メートルの2棟からなり、来場者が単なる観察者ではなく作品の一部となるインタラクティブな展示が特徴です。特に、日本の伝統衣装「羽衣(はごろも)」とブラジルの民族衣装「パランゴレ(parangolé)」を融合した「パランゴロモス (Parangoromos)」は、訪問者が実際に身に着けて参加できる体験として人気を集めています。
両国の関係は、「戦略的かつ地球的パートナーシップ」として認められており、科学技術、革新、貿易、投資の各分野での協力が進展しています。日本はブラジルの主要な輸出相手国の一つであり、両国は民主主義、人権、持続可能な開発などの国際的課題にも共通のビジョンを持ち、協調を深めています。大阪万博におけるブラジルの参加は、こうした深い歴史的・文化的な連携を背景に、相互理解を深める貴重な機会となっています。
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