【取材レポート】外国籍児童の日本語教育の最先端をいく豊明市
グローバルコミュニティーの記者として、愛知県豊明市を訪問した。今回の訪問は、「国際紅白歌合戦in豊明市」の開催にご理解と積極的なご協力をいただいている豊明市役所、フジパン株式会社豊明工場、そして認定NPO法人プラス・エデュケートの皆様へのお礼を兼ねたものである。同時に、地域における外国人子女への日本語教育サポートの現状について取材を行った。
最初の訪問先である豊明市役所では、行政としての先進的な取り組みについて話を伺った。豊明市では、外国ルーツの子どもたちへの教育機会の保障を「当たり前のこと」と位置づけ、予算を確保して日本語教育を推進している。人口の約5%にあたる約3,300人の外国人が暮らす同市では、地域内に住む子どもたちが均等な教育を受けられるよう、拠点の小学校へタクシーで通学する仕組みを整えるなど細やかな工夫がなされている。[*1] また、市長は「国際紅白歌合戦in豊明市」のような取り組みについても、出身国ごとのコミュニティを超えた相互理解と交流を促進する試みになると、時間が合えば一度観覧してみたいと興味を示されたという話であった。
続いて訪れたフジパン豊明工場では、インドネシアやブラジルなど多様な国籍の社員が多く働いており、多文化共生を「自分ごと」として受け止め、地域イベントや支援活動へ協力する温かい姿勢が見られた。[*2] 外国籍の住民が多く暮らす豊明団地周辺のスーパーでも「国際紅白歌合戦in豊明市」の案内ポスターが掲示されるなど、街全体に協力の輪が広がっている。
今回の取材のメインとなった認定NPO法人プラス・エデュケート[*3] (理事長:森顕子氏)では、10年以上にわたり築かれてきた確固たる実績と革新的な教育支援の現場に触れることができた。同団体は豊明市からの委託を受け、毎日4時間・3か月間の短期集中プログラム「日本語初期指導教室」を実施している。絵や漫画を取り入れた独自教材やジェスチャーを交えた指導法により、来日直後で日本語が全く分からなかった児童が、わずか3か月で小学校の通常授業に参加し、クラスメイトと日本語で会話できるまでに成長する明確な成果を上げている。
代表の森氏が中心になり、10年以上かけて確立したこの教育法は高い実績として証明されており、他の自治体からの講演依頼や他県の高校でのモデル事業受託など、全国的な広がりを見せている。さらに、現場での直接指導にとどまらず、日本語教師の育成や指導者向け研修、教材提供、放課後学習支援やオンライン教室まで多角的に事業を展開している。この取り組みは、子どもたちが楽しく日本語を学び、日本人の子どもたちと仲良く学校生活を送る一助となっている。
(NPOの事務所は多くの外国人の人たちが暮らす豊明団地内にある)
豊明市から始まった行政・企業・NPOが一体となった草の根の支援は、日本全国の多くの外国籍児童がいる自治体に注目される事例となっている。
高校の同窓会から広がった輪が、『国際紅白歌合戦in豊明市』に結びついた。愛知県在住の2人の天理高校[*4] の同級生ともこれから、このような取り組みを自分たちのライフワークにしたいと話あって、豊明市を後にした。
『国際紅白歌合戦in豊明市』は、11月15日、株式会社フジパンの協賛で行われます。