日本政府は7月1日より、中国個人旅行者向けのビザ発給基準を大幅に緩和しました。年収条件を元来の25万元(約350万円)から6万元(約85万円)に広げたのです。これによって、4億人ぐらいの中国人が日本観光の資格を持つことになりました。
数年前に小泉元首相が「観光立国」を呼びかけ、現政権の菅首相も新成長戦略としてそれを一つの目標に掲げています。10年後の外国人観光客数を2,500万人にまで増やすと明言。現在の4倍近くの人数です。
それは言うまでもなく、急増している中国大陸の観光客を念頭においた目標です。日本百貨店協会によりますと、4月の来店客数は37.6%、売り上げも37.3%、それぞれ増えているとのこと。その8割を中国大陸の観光客が占めていますが、ここにきて必要不可欠として浮上したのが言葉の問題です。
町中の公共機関の案内などを英語だけでなく、中国語でも標記することはもちろんのこと、観光地・電気製品のショップ・デパート・飲食店…観光とリンクしているあらゆるところに中国語の説明書やそれを話せる店員が必要になってきました。
今、東京の大手デパートに行けば、中国語のやり取りを耳にすることが多くなり、中国人の店員さんをあちこちの売り場で目にすることができるようになっています。
コミュニケーションに言葉は大事ですが、観光にも言葉は不可欠と言えるでしょう。
日本は観光地としての魅力を充分備えています。しかし残念ながら、今、日本を訪れている外国観光者数は世界で28位、アジアで6位。あの小さな島の香港でさえ年間2千万人ぐらいの観光客が訪れているのです。香港が2千万人を超えているのに、日本が超えられない理由はない。いや、とっくに超えているべきです。
遅まきながら、広大な中国大陸に広がっている日本観光のブーム、日本経済の活性化に一役買うに違いありません。それに備えて中国語を身に付けておけば、きっと思いもよらない嬉しい活躍のチャンスが訪れることでしょう。
張景子さんプロフィール・・北京外国語大学 日本語・日本文学学科卒業・
元中国国際放送局(北京放送)アナウンサー
東京大学 大学院修士学位取得・博士課程修了
JCKフレンズ(日中韓関連事業)[*1] 代表 立教大学 兼任講師
日中・日韓・日中韓3国の政府間交渉・民間交渉の遂次・同時通訳
NHKの中国語翻訳・ナレーション業務
東アジア評論家として「TVタックル」「太田総理」等の番組に出演
張景子さんのエッセイ集
1. 語学の達人
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観光庁でインターンとして活躍する留学生
『Yokoso Japan』から 『Japan endless Discovery』へ
訪日観光を海外市場でPRする際などに使用するキャッチフレーズ・ロゴとして、2003年のビジット・ジャパン・キャンペーン開始以来使用してきた “Yokoso! Japan”を「モデルチェンジ」することとし、このたび新しいキャッチフレーズ・ロゴを選定しました。
この“Japan. Endless Discovery.”という新キャッチフレーズは、「尽きることのない感動に出会える国、日本」という意味合いで、海外の方々に何度も日本にお越し頂き、その都度、桜に代表される我が国の豊かな自然、あるいは歴史、伝統文化や現代の文化、食、地域の人々の暮らしといった日本の多種多様な観光資源を是非深く知って頂きたいという気持ちを込めています。(観光庁ホームページより)