年に2度お正月

  • 2011年January26日(Wed) 19:45 JST
国際人

 

年に2度お正月

昨年の本紙のキャッチフレーズで「二つ以上の祖国を持とう」というのが印象に残っています。

私の場合、祖先は朝鮮半島に住み、自分は中国で生まれ育ち、今は長らく日本に暮れしているので、韓国も北朝鮮も中国も日本も同じように祖国として愛しています。

四つもの祖国を持つと、何かと得した気分になることが多く、この時期でいえば、年に2度お正月を迎えられることが挙げられます

日本ではお正月が過ぎて5日目ともなれば、みな仕事モードに入りますが、私なぞ、まだまだお正月気分が続いているのです。

それもそのはず。中国や韓国、北朝鮮では旧暦でお正月を過ごしますので、本当の年明けはそこからスタート。今まさにその旧正月に向かってウォーミングアップ真っ最中なのです。

今年の旧正月は2月3日。特に私が生まれ育った中国では一家団欒の祝日となっており、「民族大移動」が展開されるわけです。

1ヶ月前から飛行機や列車の切符を予約しておかないと、実家に帰れなくなるので、今から動き始めないと間に合いません。切符を買ったり、お土産を考えたりすれば、気持ちはウキウキ。旧正月を挟んで1ヶ月ぐらいは、どこもかしこも仕事が停滞気味。

陽暦のお正月を過ごさないわけでもなく、2、3日間ぐらいお正月休みも設けておりますが、それはどちらかといえば、旧正月の前夜祭のようなものでしょうか。本当の年が明けたことにはならないのです。

東京に暮らす私は、12月になると、忙しい中でもクリスマスや忘年会で、もうルンルン気分が始まり、1月は日本のお正月休みや新年会で引き続きルンルン、2月は旧正月で親元に帰るので最高にルンルン…といったところで、1年のうちの3ヶ月、なんと4分の1はルンルンしているうちに過ぎてしまいがちです。

嬉しいやらどうやら複雑な心境ですが、決して悪い気分ではなく、逆に得した気分になります。これも幾つもの祖国を持つ醍醐味と言えましょう。

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張景子さんプロフィール・・北京外国語大学 日本語・日本文学学科卒業・

元中国国際放送局(北京放送)アナウンサー 
東京大学 大学院修士学位取得・博士課程修了
JCKフレンズ(日中韓関連事業)代表  立教大学 兼任講師
日中・日韓・日中韓3国の政府間交渉・民間交渉の遂次・同時通訳
NHKの中国語翻訳・ナレーション業務
東アジア評論家として「TVタックル」「太田総理」等の番組に出演

張景子さんのエッセイ集

1. 語学の達人

2. 美の延辺料理はいかが? 【縁香館】

3. 韓国語を学ぶ学生に聞きました

8. 国籍は単なるチーム分けのカテゴリー

10. 観光立国に必要なのはやはり言葉

 

日本語・韓国語・中国語を流暢に話す中国朝鮮族

同時通訳者の張景子さんよると、東アジア地域のグローバル化の影響で、日中韓の3カ国間の通訳が必要な会議が増えているが、張さんのようにその3ヶ 国語を会議通訳レベルでこなせる人材はまだまだ不足しているそうだ。ところが、通訳レベルまでいかないまでも、日本語・韓国語・中国語を流暢に話せる人た ちが、日本に5万人ほど暮らしている。彼らは、中国から来た朝鮮族と呼ばれ、多くは中学から日本語を第一外国語として学び、家庭では韓国語を話し、会社や 学校に行けばもちろん中国語で話す。時々、日本に来て数年なのに驚くほど日本語が上手な中国人に遭遇することがあるが、大抵は朝鮮族の人たちだ。この人た ちが活動しやすい環境をつくり、彼らのネットワークを生かせば、日本社会も一気に国際化が進むかもしれない。(編集者 宮崎計実)


『朝鮮族のグローバルな移動と国際ネットワーク』
「アジア人」としてのアイデンティティを求めて
アジア経済文化研究所 発行

アマゾンでレビューを読む

中国に住む朝鮮族が激動する国際社会の中へ飛び出し、グローバルな舞台で活躍する時代になって来ました。言語的才能に加え、世界に広がる同胞ネット ワーク を武器とする彼らの存在を抜きにして国際経済が語れなくなる日も、すぐそこまで来ています。朝鮮族を軸とする新しい時代局面の到来につき、既に各国で数多 くの専門家がさまざまな研究をしており、本書はそれらの論文を初めて一冊にまとめた出色の書であり、国際経済、国際政治、アジア文化の研究者にとり、まさ に待望の書です。

李鋼哲(北陸大学教授) 和田春樹(東京大学名誉教授) 船橋洋一(朝日新聞コラミスト) 姜尚中(東京大学教授) 笠井信幸(アジア経済文化研究所理事)他執筆者多数 

 


 

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