2019/03/21 17:30

NHK伊東敏恵氏インタビュー 

特集
NHK伊東敏恵氏インタビュー 
「人とのかかわりの大切さ」多くの人たちに会えるのが何よりの楽しみというNHK伊東キャスターにインタビュー。
第六回
訪問先:伊東敏恵
訪問者:陳えんにんさん
ソフトな語り口調と笑顔がとってもすてきな、NHK伊東敏恵キャスターにマレーシアの留学生陳さんがインタビューしました。
伊東さんは現在NHK『ニュースウォッチ9』のキャスターを務めておられます。
feature_06
座右の銘
『トゲありてこそ汝はバラ』

女性の美しさも奥ゆかしさも人間としての芯の強さがあってこそ引き立つという意味。
feature_08
陳:どうしてアナウンサーになろうと思いましたか?

伊東氏:大学時代に、人間同士のかかわりにとても興味があり、心理学カウンセラーの道を目指していました。大学院への進学も考えたのですが、早く就職してほしいという両親のすすめもあり仕事に就くことにしました。言葉への関心も高かったことや人と話をしながら番組を作っていくことにも興味があったので、メッセージを伝えるアナウンサーという仕事を選びました。

陳:アナウンサーの仕事の楽しい部分、たいへんな部分は何ですか?

伊東氏:楽しいところは、なんといってもたくさんの人に出会えることです。これにつきますね。しかし、現実はたいへんなことも多いですよね。今、担当しているニュース番組は、生放送なので私の発する言葉がそのまま番組として流れます。見えない人たちへメッセージを発するという緊張感との闘いは何年たっても変わりません。テレビの向こう側の人たちにどうしたら、バランスよくメッセージを受け止めてもらえるかを日々考えています。責任の大きな仕事ですがとってもやりがいがありますね。
陳:仕事で一番印象に残っていることは何ですか?

伊東氏:岡山の新人時代に作った番組で詩人の永瀬清子さんについて作った番組がありました。以前から永瀬さんの詩がとても好きで、永瀬さんに会えると楽しみにしていたのですが、彼女はお会いする3ヶ月前に亡くなっていました。そのこともあったのでその番組に対して思い入れが一層深くなりました。30分ほどの番組でしたが、思い出深い宝物のような番組です。
あと、3年前にひきこもりの人たちを応援していこうと製作された番組「ひとつの出会い~ヤイコと88人の若者たち~」のキャスターをしていました。その番組の中で、それまでひきこもって家の外に出たことのない若者たちに『スタジオに来て、今感じていることを伝えてほしい』と呼びかけたところ、88人の引きこもりの若者たちがスタジオに来てくれました。彼らはいろいろな意見を出してくれましたが、みんなの心の叫びを直接聞くことが出来てとても印象に残っています。

陳:好きな言葉あるいは座右の銘をお聞かせください。

伊東氏:『トゲありてこそ汝はバラ』という言葉です。
冒頭でお話した、詩人の永瀬清子さんの言葉ですが、女性の美しさも奥ゆかしさも人間としての芯の強さがあってこそ引き立つという意味です。
陳|最後に留学生へのメッセージをいただけますか?
伊東氏|日本にいる間に、出来るだけ大勢の人に会ってください。学校の勉強も大切ですが、日本のことをよく理解するには出来るだけ多くの人に会って、いろんな意見を聞くことがとても大切ですね。

陳:貴重なお話どうもありがとうございました。

Profile

伊東敏恵氏山口県立徳山高校、東京女子大学卒業後、1996年にNHK入局。岡山・広島での勤務を経て、2002年より東京勤務。これまで「お元気ですか日本列島」「日本の、これから」のキャスターや、NHKスペシャルのナレーションを担当。2006年4月からは『ニュースウォッチ9』のキャスターをつとめている。自然な語り口でお茶の間の人気も急上昇中。

ニュースウォッチ9

伊東敏恵キャスターがご活躍しているテレビ番組をご紹介。

信頼できる確かな情報を提供する新たな基幹ニュース番組です。より機動的に、よりビジュアルに、そして、より親しみやすいニュース番組として、海外を含むNHKのネットワークをフルに活用し、多角的な取材を通して、1日の出来事をより深く伝えるとともに、視聴者の「ここがもっと知りたい」「ここが分からない」にきめ細かくこたえ、視聴者が納得し共感できる"新しいNHKニュースをめざしています。

Special message

今、人とのかかわりを難しく感じる人たちへ

ひきこもりから抜け出すきっかけの一つは、まずは「自分の思いを言葉にして伝える事」、ひきこもり情報のホームページなどに勇気を持ってアクセスしてみることだと思います。ささやかな言葉のやりとりでも積み重ねていくうちに、悩みを聞いてくれるちょっとした安らぎを感じ、自分以外の「相手」 という大切な存在に気づき、また、言葉を交わす内に自分の思いも客観的に見えてくるはず。今の苦しい状況から抜け出したい、せめて心の内だけでも分かってほしいと思った時、まずはそれを言葉にしてみてください。そして、インターネットを通じてでも簡単なメモでもいい、誰かに伝えてください。それがすでに、外へ向かう一歩になっていると私は信じています。

伊東さんの一押し!永瀬清子さんの詩をご紹介。

永瀬清子さんは明治時代の1906年、岡山県の当時の熊山町に生まれ、89歳で亡くなる直前まで、台所のちゃぶ台(書斎の机ではなく)で詩を書き続けた詩人です。戦時中、まだ女性が自由に物を言う事が難しかった時代にも、筆を休める事はありませんでした。妻の役割も果たし、母として子育てもし、仕事である農業もこなし、そして詩も書き続けたそのバイタリティに感銘し、この詩は今でも私の心の支えです。言葉のプロフェッショナルでなければならないアナウンサーとして、こうした美しい言葉を守っていくのも私達の努めです。永瀬さんに少しでも近づけるように、毎日日記も書き続けています。中学1年生から続けているのでもう20年!大学ノートももう160冊以上になってしまいました(笑)

留学生のインタビュー体験記

先日はNHKの伊東アナウンサーにインタビューをさせていただいて、とてもいい経験になりました。インタビューに行く前、少し心配で、自分の言葉使いが大丈夫かどうか、相手は自分の下手な日本語は分かってくれるかどうか、ちょっと不安がありました。実際に会ったら、伊東アナウンサーは魅力な笑顔で、すごく親切に丁寧に私の質問を答えてくれました。私は伊東アナウンサーの言葉に何度も心を引き寄せられて、彼女の座右の銘を聞いた時「これは本物のアナウンサーだ!」と敬意の気持ちで感心しました。これからは「ニュースウオッチ9」で笑顔が素敵な伊東アナウンサーを応援しようと思います。