2024/05/20 02:18

万博に魅かれて54年--万博マニアの藤井秀雄氏インタビュー

みんなの生活

万博に魅かれて54年--万博マニアの藤井秀雄氏インタビュー

English page 

1970年の大阪万博以来、世界中で開かれた48の万博に参加した万博マニアの藤井秀雄氏に、今回の大阪関西万博2025の魅力についてお聞きした。    

今回の2025年の大阪関西万博の見どころは?

『いのち輝く未来社会のデザイン』がテーマなので、医療分野の最先端技術、『命を守る』震災対策、平和に対する取り組み。それと『世界最大の木造建築・リング』に込めた想いなどに特に注目している。

前回開催されたドバイ万博 は 史上最大の192カ国が参加したが、 今回の万博も不安な世界情勢の中、161か国の国が参加する意義のある万博になる予定だ。 ドバイ万博は今までの万博と比べると海外からの投資を呼び込んでくる 仕掛けがたくさんあった。 砂漠の中の人口的な商業都市は、万博を戦略的に使って様々な国との関係を強くし、万博が終わってもその施設や経験を生かすべく、長期的な計画のもと万博を実行した。大阪関西万博も、 同じように万博が終わっても、その施設や経験を有効に使って、 継続的に世界的な問題の解決に寄与しながら、世界の国々との結びつきがもっと強まるイベントになることを願っている。

 

世界から見ると日本は、日本食などが寄与する長寿文化、 アニメなどが象徴する平和文化が魅力だ。
IPS 細胞を使った『人工心臓』などの展示をはじめ、長寿文化を促進する最先端の技術がこの万博で一度に紹介されることは非常に興味あることである。
 そして心身ともに健康に暮らすには、災害に対する備えや 平和を愛する思想など、日本が世界に発信できることはたくさんあると思う。

万博は6ヶ月間という長期に及ぶ イベントだが、 日本の地域性、歴史の長さを生かして世界に発信する舞台でもある。日本は 沖縄から北海道まで、様々な祭りが太古の昔から地域で大切にされている希少な先進国。
3000以上の祭事が、今回の大阪関西万博で行われるが,海外の人たちが,日本中の数々のお祭りや パレードなども体験できる非常に貴重なイベントになると思う。


大学生や留学生などが関われるイベントや展示などがあるか?

 


「EXPO2025 デザインシステム」

大阪大学などは、音楽で海外の人とつながる新たな取り組みをしているし、 留学生も多い大阪公立大学関西大学はじめ多くの大学や教育機関で、万博に関わる学生さんが主体になったサークル活動なども行われ、関連イベントなどでも発表などもしている。
先日、万博 1年前 イベントなども行われたが、そこでは有名ミュージシャンが参加し音楽のライブイベントもあったが、多くの大学生なども参加して大変盛り上がっていた。万博開催中は、7つのステージがあり、アニメイベントや世界各国の平和を愛する有名ミュージシャンのライブも検討されているようだ。

具体的な参加者や参加するお祭りなどもメディアなどを通じて、今後どんどん、紹介されていくと思う。吉本興業の元会長が、開催中の公式祭事の責任者をしており、VRなどを使った未来の『お笑い』『エンターテイメント』の紹介などもあるようだ。多くの外国人観光客を集める、日本を代表する様々な地域の『お祭り』なども万博に来れば、一度に体験ができることになるであろう。
また、入場券の購入だけで、世界の様々な展示のみならず、多くのお祭りやライブを世界中の人たちと一緒に楽しめるのは、今回の万博の大きな魅力になるに違いない。

加えて、NTTなどが最新の通信技術を活用し、会場内の通信環境も格段によくなり、来場者がストレスなく、母国の友人知人に会場の様子を動画で紹介できそうだ。また、日々改良されている同時翻訳の最新技術も活用され、世界各国の人同士のコミュニケーションにも、大いに役立つと期待されている。

日本の夏の暑さも懸念されるが、開催時間は、夜22時までで夜のイベントなどは涼しく楽しめる。幅30Mのリングが暑さ除けにもなると思うし、また会場は南港から海の涼しい風の影響で、比較的過ごしやすい天候だと思う。

1970年の万博の象徴として『太陽の塔』が残されたが、今回の万博にそれに代わるようなものはあるのか?

世界最大の木造建築『リング』がそれに当たると思う。『リング』は、清水寺から発想を得て作られたもので、幅30メートル、円周は2キロにも及ぶ。そのリングの内部には、海外のパビリオンなどが入り、世界が一つの共同体のように『命』の大切さを想像させる展示やイベントなどが行われる。

来場者には、巨大要塞のように印象に残るリンクだが、その下では、色々な店舗や展示、イベント、ワークショップなども楽しめるようになっており、また、リンクの上の幅30メートル、2キロに及ぶ回廊を使った様々なイベントなども計画されている。 

世界最大の木造建築物『リンク』は開催終了後も、その使用方法を含め、そのまま残されることが議論されている。IRの敷地は万博会場の隣だが、そのIR施設と連携して、将来的にも、世界の人たちがくつろげる場としても活用ができるであろう。1970年の万博は私たちの将来に大きな影響を残した。2025年の大阪関西万博も若者の未来にいい影響を残すものとなることを願っている。(藤井秀雄氏談)


大阪は東京と比較して、海外の公館が非常に少ない。大阪・関西が万博の後も継続して、世界と繋がり発展していくには、『リンク』を活用して、万博に参加する161カ国で大阪に公館のない国は、使用したパビリピンをそのまま仮の公館として使えたり、6か月間日本に滞在した海外のスタッフなども、継続して日本に滞在することができるようにするなどして、大阪と世界をつなぐ大きなチャンスとなれば理想的だ。

グローバルコミュニティーでは、大阪関西万博開催中に、多くの大阪に公館のない国のスタッフにインタビューをして、定期的に発信していきたいと考えている。(グローバルコミュニティー 編集長 宮崎計実)