2019/02/24 13:44

中国への対応:日本とオーストラリア

国際人
7月1日以降、日本では中国人への個人観光ビザの交付条件が大幅に緩和された。激しい経済危機に瀕している現在の日本にとってこれは、以前から多かった中国人からの観光収入をより増やす意図と見られる。その上、観光客にとどまらず、留学生、移民、永住者などにおいて、中国人は在日外国人の中で大きな割合を占めている。オーストラリアでも同様に、中国人の数が多く、彼らは観光、勉強など、様々な目的で来豪している。

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現在、急成長を遂げている中国は、どの国においても度々激しい社会的議論の的となっている。この記事では、日本とオーストラリアで起きている議論と、両国における中国に対する対応や感情について考えてみたい。

中国の国力向上は、国際的に大きく二つの見方で受け止められている。一つ目は、中国政府が主張している「平和的台頭」である。これを支持する日本やオーストラリアにいる人々は、中国の台頭は特に経済的利益を多くもたらすと考えている。日本の場合、前述した中国人からの観光収入がその一例である。また中国の発展に伴う天然資源への大きな需要は、天然資源を多く保有するオーストラリアにとって、最近の世界金融危機からの影響を免れた理由の一つであった。

二つ目の考え方は、いわゆる「中国脅威」である。日本では最近、中国海軍艦隊の沖縄付近における外洋訓練や、中国軍ヘリの海上自衛隊の護衛艦への異常接近などが、中国への懸念を更に深刻化させている。オーストラリアでも、中国の国営会社がオーストラリアの鉱業会社へ投資することによって市場進出を狙っていると疑う人が少なくない。

いずれの考え方にせよ、21世紀において中国という国を無視することはできない。現状では、国粋主義や偏見などによって、中国政府への感情と中国国民への感情を区別せずに誤解や短絡をすることが少なくない。たとえ中国の政治制度などに反感を持っているとしても、その区別ははっきりとするべきである。そうすれば、国民間の相互理解がより深まりいい関係を築くことが出来るだろう。


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ランス・トロングさん
2月までグローバルコミュニティーの留学生インターンとして、変革の時代の日本を生で体験したジャーナリズム専攻のランスさん(モナッシュ大学)からのリポートです。



日本とオーストラリアにおける中国人滞在者の増加について



中国の経済的な発展、受け入れ国のビザの緩和などもあり、日本とオーストラリアでも
中国人の滞在者が増加している。2009年度の在日外国人の登録者数218万人のうち中国人・台湾人は、68万人に及び、それまで一番多かった在日韓国・朝鮮人の人たちの数を上回った。また約4万人の日本人が国際結婚をしているが、1万人以上が中国人のパートナーである。(2009年入国管理局データより)

一方、4人に1人が外国生まれという多文化・多人種国家オーストラリアでは、1989年の中国の天安門事件後に、当時のホーク首相が中国本土からの学生を歓迎し、それ以来中国本土や台湾からの移民が急増。2009年で、21万人か中国本土、7万人が香港、25000人が台湾で生まれている。またインドネシアやベトナムなどからの移民も含めると中国系の人口は67万人になり、ほぼ日本に住む中国人・台湾人の数と同じになる。