2019/09/18 14:13

多文化時代の『住まい』について

みんなの生活
都市プランナーとして長年、国や自治体等の調査研究や計画策定に携わる中、新宿区大久保で1990年より建築やまちづくり関連の仲間と外国人の住宅問題に関する調査を開始。まだ多文化共生という言葉もない時代だった。
都市プランナー 稲葉佳子氏 プロフィール

法政大学大学院工学研究科修了後、㈱市浦都市開発建築コンサルタンツ、(有)ジオ・プランニングを経て、現在、(有)ラディアン・ワークス代表。工学博士。法政大学大学院工学研究科兼任講師。特定非営利活動法人かながわ外国人すまいサポートセンター理事。
主な著書に『オオクボ 都市の力〜多文化空間のダイナミズム〜』(学芸出版社)、共著に『外国人居住と変貌する街』(学芸出版社)、『「移民国家日本」と多文化共生論-多文化都市・新宿の深層』(明石書店)、『郊外住宅地の系譜』(鹿島出版社)
都市プランナーとして長年、国や自治体等の調査研究や計画策定に携わる中、新宿区大久保で1990年より建築やまちづくり関連の仲間と外国人の住宅問題に関する調査を開始。まだ多文化共生という言葉もない時代だった。外国人たちの抱える住宅問題の大きさに気づき、その結果を報告書にまとめる。2年後には有志4人で『まち居住研究会』を立ち上げる。1998年に、不動産関係者、地元マンション管理組合役員、社会学者、大学関係者、自治体職員、市民活動家、留学生など新たなメンバーが加わり、大久保で外国人と日本人がよりよい関係で住まう・・をテーマに市民活動を行う。活動開始10年目の2000年には、建設省(現 国土交通省)に外国人への賃貸借という観点から、日本の住宅賃貸借システムに関する改善提案を提出。その分野の草分けとして、自治体や関連業界団体などから注目を浴びている稲葉佳子さんに多文化共生社会における『住まい』について聞いた。


この活動を始めたきっかけ

そもそもの動機は、外国人はどんな住宅に住んで、どんな生活をしているのだろう
また住宅に関してどんな問題を抱えているのであろう。そして彼らを迎え入れる日本人はどのような対応をしているのだろうという素朴な疑問と好奇心からはじまった。

聞き込みの方法と調査の結果は

建築関係の自主研究グループを組んで、大久保のアパートを1件ずつ訪問。
調査は、国籍や日本に来た目的から始まり、どのように住宅を見つけ、その時に困った問題など多岐に渡った。結局、この調査は2年に及んだ。その調査をより発展させるため、有志で『まち居住研究会』を発足。欧米人、中国人、アジア人系労働者、日系人というカテゴリー別に彼らの抱える住宅問題をや地域の実状を調査し、『住宅時事往来』というリーフレットを定期的に発行。当時は、まだ特異な目で見られていた外国人が、実際は私たちと同じように暮らしているのだということを伝えたかったと稲葉さんはいう。

『外国人に対する入居差別は現在でも問題になっているが、調査開始当時は
今、以上に深刻だった。当時のアジア出身の学生たちの多くは、慣れない生活の中、学業とアルバイトの両立で経済的にとても苦労していた。当時の大久保には老朽化した木造アパートが多くあり、その住民の多くは、身寄りのない一人暮らしの高齢者であった。4畳半一間、6畳一間だが学校やアルバイト先にも近く、賃料の安いアパートは彼らの唯一の選択肢だった。

当時は、外国人が増えてきていて、特に言葉に不自由な学生はコミュニケーションが隣人とうまく取れず、日本の共同住宅の決まりがわからず、トラブルが多発した。
それにより、外国人の入居を避ける大家さんが大半を占めていた。その為、不動産業者の9割が外国人の入居斡旋を断っていたという。』 (次回に続く)




東京の新しい魅力を紹介する本 

稲葉佳子著「オオクボ 都市の力~多文化空間のダイナミズム」
(学芸出版社 2008年10月発刊)

w%E7%A8%B2%E8%91%89%E3%81%95%E3%82%93%E3%80%80%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%9C%E3%80%80%E9%83%BD%E5%B8%82%E3%81%AE%E5%8A%9B.jpg


なぜ大久保では、ダイナミックな変化が起こりえたのか。『外国人にやさしい街大久保』なぜ地元の人々は、外国人をここまで受容することができるのか。長年の調査や研究に基づき、新宿区大久保における都市受容のダイナミズムを描き出す。
オオクボから未来の日本の『都市』や『住まい』を考えてみよう。



「まち居住研究会」のHP http://www.emachiken.net/

稲葉佳子著「オオクボ 都市の力~多文化空間のダイナミズム」

http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1249-1.htm
都市プランナーとして長年、国や自治体等の調査研究や計画策定に携わる中、新宿区大久保で1990年より建築やまちづくり関連の仲間と外国人の住宅問題に関する調査を開始。まだ多文化共生という言葉もない時代だった。
都市プランナー 稲葉佳子氏 プロフィール

法政大学大学院工学研究科修了後、㈱市浦都市開発建築コンサルタンツ、(有)ジオ・プランニングを経て、現在、(有)ラディアン・ワークス代表。工学博士。法政大学大学院工学研究科兼任講師。特定非営利活動法人かながわ外国人すまいサポートセンター理事。
主な著書に『オオクボ 都市の力〜多文化空間のダイナミズム〜』(学芸出版社)、共著に『外国人居住と変貌する街』(学芸出版社)、『「移民国家日本」と多文化共生論-多文化都市・新宿の深層』(明石書店)、『郊外住宅地の系譜』(鹿島出版社)
都市プランナーとして長年、国や自治体等の調査研究や計画策定に携わる中、新宿区大久保で1990年より建築やまちづくり関連の仲間と外国人の住宅問題に関する調査を開始。まだ多文化共生という言葉もない時代だった。外国人たちの抱える住宅問題の大きさに気づき、その結果を報告書にまとめる。2年後には有志4人で『まち居住研究会』を立ち上げる。1998年に、不動産関係者、地元マンション管理組合役員、社会学者、大学関係者、自治体職員、市民活動家、留学生など新たなメンバーが加わり、大久保で外国人と日本人がよりよい関係で住まう・・をテーマに市民活動を行う。活動開始10年目の2000年には、建設省(現 国土交通省)に外国人への賃貸借という観点から、日本の住宅賃貸借システムに関する改善提案を提出。その分野の草分けとして、自治体や関連業界団体などから注目を浴びている稲葉佳子さんに多文化共生社会における『住まい』について聞いた。


この活動を始めたきっかけ

そもそもの動機は、外国人はどんな住宅に住んで、どんな生活をしているのだろう
また住宅に関してどんな問題を抱えているのであろう。そして彼らを迎え入れる日本人はどのような対応をしているのだろうという素朴な疑問と好奇心からはじまった。

聞き込みの方法と調査の結果は

建築関係の自主研究グループを組んで、大久保のアパートを1件ずつ訪問。
調査は、国籍や日本に来た目的から始まり、どのように住宅を見つけ、その時に困った問題など多岐に渡った。結局、この調査は2年に及んだ。その調査をより発展させるため、有志で『まち居住研究会』を発足。欧米人、中国人、アジア人系労働者、日系人というカテゴリー別に彼らの抱える住宅問題をや地域の実状を調査し、『住宅時事往来』というリーフレットを定期的に発行。当時は、まだ特異な目で見られていた外国人が、実際は私たちと同じように暮らしているのだということを伝えたかったと稲葉さんはいう。

『外国人に対する入居差別は現在でも問題になっているが、調査開始当時は
今、以上に深刻だった。当時のアジア出身の学生たちの多くは、慣れない生活の中、学業とアルバイトの両立で経済的にとても苦労していた。当時の大久保には老朽化した木造アパートが多くあり、その住民の多くは、身寄りのない一人暮らしの高齢者であった。4畳半一間、6畳一間だが学校やアルバイト先にも近く、賃料の安いアパートは彼らの唯一の選択肢だった。

当時は、外国人が増えてきていて、特に言葉に不自由な学生はコミュニケーションが隣人とうまく取れず、日本の共同住宅の決まりがわからず、トラブルが多発した。
それにより、外国人の入居を避ける大家さんが大半を占めていた。その為、不動産業者の9割が外国人の入居斡旋を断っていたという。』 (次回に続く)




東京の新しい魅力を紹介する本 

稲葉佳子著「オオクボ 都市の力~多文化空間のダイナミズム」
(学芸出版社 2008年10月発刊)

w%E7%A8%B2%E8%91%89%E3%81%95%E3%82%93%E3%80%80%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%AF%E3%83%9C%E3%80%80%E9%83%BD%E5%B8%82%E3%81%AE%E5%8A%9B.jpg


なぜ大久保では、ダイナミックな変化が起こりえたのか。『外国人にやさしい街大久保』なぜ地元の人々は、外国人をここまで受容することができるのか。長年の調査や研究に基づき、新宿区大久保における都市受容のダイナミズムを描き出す。
オオクボから未来の日本の『都市』や『住まい』を考えてみよう。



「まち居住研究会」のHP http://www.emachiken.net/

稲葉佳子著「オオクボ 都市の力~多文化空間のダイナミズム」

http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1249-1.htm