2019/04/19 21:14

国籍は単なるチーム分けのカテゴリー

国際人
 
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今回のバンクーバー五輪で目立っていたのが、自分の出身国でない国籍或いは両親の出身国でない国籍で出場している選手たちの活躍だ。


フィギュアスケート・ペアでは、川口悠子がロシア国籍を取得しロシア代表として出場、フィギュアスケート・女子では日米二重国籍を持つ長洲未来が米国代表として参戦。逆に、アイスダンスのキャシー・リード、クリス・リードは、日米両国籍を持ちながら日本代表として出場。スピードスケートのアポロ・アントン大野選手は、日本人の父を持つ米国代表。国籍は単なるチーム分けのカテゴリーの一つに過ぎないという印象を強く受けた。

それぞれがオリンピックに参加するため、また、メダルを獲るため、最も有利なチームを選び、それに合わせて国籍を選択している。
それは、自分の価値を一番生かせる仕事や住まいを選ぶのに似ているような気がする。

コーチやマネージャーのいるリンクサイドは更に国籍が意味を持たない大融合。
女子フィギイア金メダリストキム・ヨナのコーチはカナダのブライアン・オーサー氏、銀メダリストの浅田真央を指導したのはロシアのタチアナ・タラソワ氏、米国代表のアボットのコーチは元五輪選手で世界女王の佐藤有香さん。

海外で活躍しているオリンピック選手のコーチといえば、2008年北京五輪で注目を集めた二人の女性を取り上げざるを得ない。中国のシンクロチームを銅メダル獲得に導いた日本の井村雅代コーチ、アメリカの女子バレーに銀メダルを獲らせた中国の郎平(ロウヘイ)監督だ。

選手も監督も、国籍や血統を超え、最も高いレベルを備えた素晴らしい試合を見てもらうため、チームを選び、選手を選び、コーチを選んでいる。観戦する多くの人々も純粋にこの最高のスポーツに酔いしれていたに違いない。

国籍はチーム分けのカテゴリーでしか過ぎなくなり、国や民族のボーダーラインがますます薄れていく世界の流れに喜びを感じる。

私たち一人一人にとっても、国籍が単なる住み分けのカテゴリーにすぎないことを、単なる地球上の住所の一部に過ぎないことを願ってやまない!


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張景子さんプロフィール・・北京外国語大学 日本語・日本文学学科卒業・
元中国国際放送局(北京放送)アナウンサー 
東京大学 大学院修士学位取得・博士課程修了
JCKフレンズ(日中韓関連事業)代表  立教大学 兼任講師
日中・日韓・日中韓3国の政府間交渉・民間交渉の遂次・同時通訳
NHKの中国語翻訳・ナレーション業務
東アジア評論家として「TVタックル」「太田総理」等の番組に出演

張景子さんのエッセイ集