日本のお正月の文化的ルーツとは?
- 2019/11/25 12:15
日本のお正月の文化的ルーツとは?

いよいよ師走のシーズン到来ですね。正月は、日本の年中行事の中でも特に、文化色の濃い時期でもあります。でも、そもそも私たち日本人は、何で新年を祝うのか考えた時に、その答えって誰も出て来ないですよね?何故なら、新年は祝うものだと思っているのが、当たり前になっているからです。でも、こうした出来事ひとつひとつとってもそこには、きちんとした理由があるのですよ。
ということで、日本のお正月ですが、そもそも日本の年中行事、とりわけ、祝祭日には、ある文化的ルーツが根底にあります。それが、神道と農業という二つの大きなテーマです。基本、日本の祝祭日は、農業の収穫に併せて、その祭事が決まり、その祭事にそって、お休みが定められてきました。まぁ、江戸時代までは、全人口のおよそ8割近くの人達が農業を営んでおりましたので、或る意味、当然ですよね。そして、こちらのお正月にも、同じルールが適用されます。
元々、日本のお正月は、大歳神と呼ばれる農耕の神様を自宅に迎え入れるためにありました。それは、昨年の恵み豊かな一年を神さまに感謝すると同時に、これからの一年の豊穣を祈念することにありました。このため、大歳神さまは、日の出と共に現れ、私たちの自宅に招来するのです。何故、お正月には、門松をたてるのか、輪飾りや鏡餅を飾るのか。そのすべては、この大歳神さまを自宅に迎え入れるために飾ります。年末の大掃除も不潔なところに神様はいらっしゃらないので、自宅を綺麗にするのです。
でも、最近では、そうした意味は殆ど忘れられてしまいました。何故なら、最近では、元旦に初詣に行かれる方ってスゴく多いですよね。でも、一日は、大歳神さまを自宅に迎えるため、不在するなんて恐れ多いことなんです。そのため、本来は、初詣は一日を外して、二日以降に参拝されるのが流儀なのですが、多分、殆どの方がご存じないと思います。今年は少しそのあたりに注視して、日本人らしいお正月というのを体験してみては如何でしょうか。
(神社人運営者 株式会社カルチャージ代表 東條英利 )

東條英利氏・・1972年生まれ埼玉県出身、株式會社カルチャージ代表取締役。東條英機の直系曾孫にて、第18代目当主。日本独自の社会公益事業モデルを 模索し、神社並びに神道の存在に着目。神社を通じたカルチャー・ツーリズムを提唱し、新たな地域コミュニティと文化エンターテイメントの再生を目指してい る。
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