スタント・メソッドを学んで No.9 今の苦労は未来への成功の礎(いしずえ)

今の苦労は未来への成功の礎(いしずえ)
スタント・メソッドを学んで No.9
長期の入院・手術、大学の中退、再入学と数々の困難を乗り越えた平井啓祐さん(右)とスタント教授
平井さんは、小学5年から中学3年までアメリカ・アトランタで過ごす。帰国後は高校、大学と思い通り進学し、北京大学での留学も終え順調な学生生活を送っていた。しかし、帰国後、就職活動に入ると様子は一変した。面接でもどうも自分をうまく出せない。ストレスもあり、潰瘍性大腸炎という難病を発症し、病気の悪化による手術のため入院を余儀なくされた。入退院を繰り返し、一時はこれで人生も終わったかと思った。しかし、一度大学を中退して治療に専念した結果、大学に再入学できるほどに体調は回復した。
そんな遠回りした末に取ったのが、スタント教授の『Motivation Studies in Education, MIE』の講義だった。受講前のエッセイの提出、個人発表の機会が全員にあったりと他の授業とは大きく違っていた。再入学してからはちゃんと勉強をしたいと思っていた自分にはぴったりの授業だと思った。しかし、初めの授業には馴染ず、スタント教授の第一印象も偽善的な感じがしてあまりよくなかった。それも、授業が進み、スタント先生の体験談や他の学生の発表などを聞くうちに変わってきた。みんな何かしらの悩みを抱えていて、それを克服しようと頑張っていることが分かると、クラスメイトがお互いの気持ちを理解できるようになり、とてもいい雰囲気のクラスになった。今まで授業で経験したことのない一体感だった。
そしてついに自分の発表を迎えた。先生に言われた通り、自分の過去をリアルストーリーとしてさらけ出すことで、自分が今新たな目標に向かって進んでいることを発表した。スタント先生やクラスのみんなの視線に今までにない暖かさを感じた。このクラスの良さは、スタント教授の導きで、クラスのみんなが自分の気持ちを包み隠さず発表し、同じ想いを共有するところにあると思う。
自分の心を素直に表現することの大切さを知り、就職面接にも自信を持って臨めるようになった。そして念願の高齢者・障害者の雇用促進のための団体での就職も決まった。
平井さんは、大きな挫折を経験し、「学ぶことの大切さ」「思いやりの心」「自分の気持ちを素直に表現する姿勢」をスタント先生の指導の下、学び取って大きく人間として成長したという。このような挫折をしてなかったら、きっとスタント先生の授業も取っていなかったし、何よりここまで変わることはなかったのかもしれない。
今、もしあなたが、挫折感を感じて「勉強の意味」や「人生の目標」を見失っていても心配は要らない。諦めなければ失敗はない。その苦労は未来への成功の礎(いしずえ)となっているはずだ。